高千穂の地に天下った天つ神の皇子「ニニギノミコト」は、ある日小川で美しい姫「コノハナサクヤヒメ」に出会い、一目で心を奪われてしまい、ニニギノミコトはコノハナサクヤヒメの父「オオヤマツミノカミ」に姫との結婚を申し入れ、めでたく結婚します。しかし、夫婦としてともに過ごした一夜が明けるとニニギノミコトは反乱部族の討伐へと旅立って行きます。時が過ぎ、無事帰還したニニギノミコトはコノハナサクヤヒメの懐妊を告げられる。一夜限りの逢瀬で子どもを授かったことが信じられないニニギノミコトは姫の貞節を疑い「子どもはほかの国つ神の子ではないのか」と、姫の心を深く傷つきます。あらぬ疑いを掛けられ、悲しみ怒りを抱えた姫は、「もし生まれてくる子がほかの国つ神の子であるなら無事に生まれてはこないでしょう。 しかし、天つ神ニニギノミコトの子であれば、たとえ火の中でもきっと無事に生まれてくることでしょう。」そう言って、出口のない産屋にこもった姫。出産の時が近づき、姫は産屋に火を放った。燃えさかる炎の中で無事に3人もの子を産み、姫は身の潔白を証明と言います。西都原古墳群最大級の2つの古墳「男狭穂塚(おさほづか)」と「女狭穂塚(めさほづか)」は、ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメの墓とも伝えられています。

©2018 WARABE. ALL RIGHTS RESERVED.